ローマでは、
歴史は“守られる”ものじゃない。
更新され続けるものだ。
―――
トレヴィの泉のすぐそば。
ひときわ人を引き寄せているのが、
FENDIのクリスマスツリー。
修復に約3億円。
それを、
さらっと出してしまう。
国家でもなく、
宗教でもなく、
ひとつのブランドが。
その事実だけで、
この都市の構造が見えてくる。
ローマは、
過去だけで成立している都市じゃない。
現在の経済と、
現在の意思によって、
維持され、更新されている。
だからこそ、
このツリーの前には人が集まる。
ただ綺麗だからじゃない。
この都市の“今”が、
ここにあるからだ。
古代の水道が流れ続け、
バロックが立ち上がり、
そのすぐ隣で、
ラグジュアリーブランドが光を灯す。
その全部が、同時に存在する。
ローマは、
時間を切り分けない。
重ねる。
だから、違和感がない。
FENDIのツリーは、
ただの装飾じゃない。
この都市が、
どうやって生き延びているかの、
ひとつの答えだ。
Roma.
資本もまた、風景になる。
