これが“ジェノヴェーゼ”、トロフィエ・アル・ペストの正解<イタリア・ジェノヴァ>/Genova

ジェノヴァで食べるべきものは、決まっている。

バジル。

そして、トロフィエ・アル・ペスト。

この街の料理は、
派手じゃない。

でも、ひと口で分かる。

「ああ、これが本物か」と。

入ったのは、
地元に愛されている一軒。

Ristorante Il Gelsomino。

迎えてくれたのは、
ひとりの紳士。

ギャルソンというより、
カメリエーレ。

その所作に、
この店のすべてが詰まっている。

始まりは、アペリティフ。

その流れで勧められたのが、
Crevari Scones。

薄い生地を揚げた、軽い一品。

中から、とろりとチーズ。

パンツェロッティに近いが、
もっと繊細で、軽い。

続くのは、ムール。

ジェノヴァスタイルの、
バジル仕立て。

これも、初めての体験。

そして、迷いなく選ぶ。

トロフィエ・アル・ペスト。

ねじれた短いパスタに、
濃密なバジルのソース。

絡み方が、違う。

香りが、違う。

すべてが、違う。

日本で食べてきた
どのジェノベーゼとも違う。

これはもう、
別の料理だ。

絶望するほど、美味い。

食事は、ここで終わらない。

デザートに、グラッパ。
そして、会計前にリモンチェッロ。

自然な流れで、
すべてが組み込まれている。

ホームメイド当然なイタリアデザートの王道、ティラミスが裏切ることはない。

これが、イタリアの食事だ。

料理だけじゃない。

時間と流れを含めて、
ひとつの体験として完成する。

そして最後に、会計。

38.5€。

——のはずが、

「30でいいよ」

この街の豊かさは、
こういうところにある。

合理でもなく、
サービスでもなく、
文化としての“余白”。

 

Genova.
料理は、流れで完成する。

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