ナポリで、
またひとつ、価値観が更新された。
気になっていた一軒。
La Locanda Gesu Vecchio
いわゆる、ビストロ。
でも、
ただのビストロじゃない。
ナポリ料理をベースにしながら、
明らかに“今”の料理になっている。
伝統をなぞるだけじゃない。
壊さずに、更新している。
頼んだのは、
Trighetti alla Luciana
“ルシアナスタイル”。
ナポリの港、サンタルチア。
この街の象徴とも言える場所の名を冠した、
タコ料理。
シンプルなはずの一皿が、
どこか違う。
使われているのは、トリゲッティ。
三角の断面を持つロングパスタ。
見慣れない形。
でも、
このソースに、異様に合う。
小さなタコ。
旨味が凝縮されている。
あの店主が言っていた、
“いいタコ”の話が、ここで繋がる。
そしてもう一皿。
Cervellatine di Maialino Nero。
ナポリの黒豚で作るサルシッチャ。
力強い。
でも、重くない。
脂の質が、違う。
ワインもまた、
この街の層の厚さを物語る。
カンパーニャのラインナップを軸に、
イタリア全土、
さらにフランスまで。
ナポリは、
“古き良き”だけの街じゃない。
伝統を、
そのまま残すのではなく、
今の感覚で、
更新し続けている。
だから、
面白い。
そして、
底が見えない。
Napoli.
伝統は、進化してこそ残る。
