ナポリから、船で渡る。
イスキア島。
ここは、ただのリゾートじゃない。
温泉の島だ。
島のあちこちに点在する、
“テルメ”。
その言葉自体が、
この場所の歴史を物語っている。
古代ローマ時代から、
ここは温泉地として使われてきた。
カラカラ浴場。
ディオクレティアヌス浴場。
トラヤヌス浴場。
ローマに残る巨大浴場群。
あれが“都市の浴場”だとすれば、
イスキアは“リゾートの浴場”。
同じ文化の、別のかたち。
温泉に浸かり、
海を眺める。
それだけで、成立する。
でも、この島はそれだけじゃない。
ビーチがあり、
そのすぐ隣に、
食事がある。
ビストロに入る。
自然と、シーフードを選ぶ。
理由なんてない。
この環境なら、
それが正しい。
パスタ。
海の味が、そのまま乗っている。
余計なことをしない。
Bagno Tre Stelle。
海のすぐそばで食べる一皿は、
街で食べるそれとは違う。
ここでは、
時間の流れが変わる。
急ぐ必要がない。
ローマが作った文化は、
こうして形を変えて、
今も生きている。
Ischia.
回復は、島で完成する。
