この景色を見ていると、
忘れそうになる。
ここが、
ただの楽園ではないことを。
カプリ島。
どこを切り取っても、
完成された風景。
だからこそ、
人はここを欲しがった。
紀元前。
地中海沿岸で繰り広げられた、
領地の奪い合い。
この島もまた、
その対象だったはずだ。
対岸に目を向ける。
ヴェスヴィオ山。
はっきりと見える。
西暦79年。
ポンペイを一瞬で飲み込んだ、
あの噴火。
美しい海と、
穏やかな島。
そのすぐ隣に、
破壊の記憶がある。
この距離感が、
この地域の本質だ。
豊かさと、
危うさ。
両方が、同時に存在している。
だからこそ、
この土地には、
独特の緊張感がある。
ポンペイ遺跡もまた、
ただの観光地じゃない。
環境そのものが、
物語を持っている。
カプリから見るヴェスヴィオ。
それは、
美しい背景ではなく、
この地域の歴史そのものだ。
Capri.
楽園は、現実と隣り合わせにある。
