ポンペイで、
ジェラートを探す。
遺跡の街。
普通なら、
それで終わる。
でも、
ひとつ気になる店があった。
ナポリ近郊で、
一番美味いと評判のジェラテリア。
——のはずだった。
現地に着くと、
店はある。
でも、名前が違う。
場所は合っている。
間違いなく、ここ。
店名を変えたのか。
移転したのか。
いや、
そんな気配でもない。
むしろ、
“その後に入った店”に見える。
いわゆる、二番煎じ。
でも、
せっかくだから食べてみる。
ひと口。
——あれ?
普通に、美味い。
いや、
かなり美味い。
二番煎じじゃない。
インスパイア。
ちゃんと、
自分の味を持っている。
でも、
どこにも情報がない。
オフィシャルサイトも、
SNSも、
レビューも。
地図ですら、
旧店舗のまま。
この状態で、
このクオリティ。
まだ、
誰にも見つかっていないだけかもしれない。
次に来るとき、
ここはもう、
“有名店”になっているかもしれない。
Pompei.
名店は、静かに始まる。
