アマルフィの海の色は、器に受け継がれた。<イタリア・ヴィエトリスルマーレ>/Vietri sul Mare

ナポリから、
列車で1時間ちょっと。

アマルフィ海岸の入口にある、
小さな街へ。

ヴィエトリ・スル・マーレ
Vietri sul Mare

絶景の海と、断崖に連なる街並み。

その華やかなアマルフィの陰で、

小さく、
静かに、

でも、
大きな役割を担ってきた街がある。

ヴィエトリは、イタリアを代表する陶器の街。

レストランやホテルを歩いていると、
鮮やかな器やタイルにその文化を見ることができる。

駅を降りると、
最初に目に飛び込んできたのも、鮮やかな青だった。

海よりも深い、ヴィエトリの青。

青だけじゃない。

レモンの黄色。
夕陽のオレンジ。

街を歩けば、南イタリアの光景が、
そのまま陶器に閉じ込められているように見える。

その色を生み出しているのが、“釉”。

土からつくられた器の表面を覆い、焼かれることで、
ガラス質の膜となる。

光を受け、色を持ち、艶を生む。

だから、ヴィエトリの陶器は、
どこか光って見える。

ただ色を塗ったのとは違う。
光そのものが、器の中に宿っている。

その背景には、
かつて海洋共和国として栄えたアマルフィの歴史がある。

地中海を行き交う交易は、
富だけではなく、技術も、文化も、
色も運んできた。

海を通じて得たものを、
この土地の職人たちは、器へと変えていった。

海の青。
レモンの黄。
太陽の橙。

アマルフィと聞けば、誰もがあの海を思い浮かべる。

でも、その海の色を
持ち帰れるものにしたのは、

ヴィエトリの器だったのかもしれない。

景色は、その場所を離れれば遠ざかる。

でも、色は、器に残る。

そして、人から人へ、
街から街へ運ばれていく。

Vietri sul Mare.

海の色は、
器に受け継がれた。

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