古代ローマの記憶に、
浸かる。
Römertherme Baden
前に訪れた、
Thermalstrandbad Badenとは対照的。
こちらは、
現代的な温泉施設。
でも、
地下から湧き出すのは、
同じバーデンの温泉。
ガラスに囲まれた空間に、
湯気が静かに立ちのぼる。
かすかな硫黄の匂い。
湯に身体を沈めると、
熱がゆっくりと身体の奥へ広がっていく。
そして思う。
この土地では、古代ローマの人々も、
ハプスブルク家の時代の人々も、
そして、現代の私たちも、
同じ大地から湧き出す水に、身体を委ねてきた。
建物は、変わる。
街も、変わる。
時代も、変わる。
でも、水は、湧き続ける。
この近くには、
ベートーヴェンが夏を過ごした家も残っている。
彼もまた、療養のためにバーデンを訪れ、
この街の温泉を利用したひとり。
ローマ人。
貴族。
音楽家。
そして、現代を生きる人々。
2000年という時間を越えて、
同じ土地の水が、人を癒やし続けている。
だから、
ここでは、温泉に入っているというより、
“文化”の中に、
身体ごと入っていく感覚がある。
世界遺産に登録されたのは、
Baden bei Wienという温泉都市の文化。
でも、そのすべての始まりは、
地下から湧き続ける水だ。
人が世界遺産を決めるより、
ずっと前から、水はここにある。
そして、
きっと、これからも。
Baden bei Wien.
水は、
2000年の時間をつなぐ。
水こそ、世界遺産を超えて、
“地球遺産”なのかもしれない。
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