そして、「歓喜の歌」が生まれた。<オーストリア・ウィーン>/Wien

バーデンの旧市街を歩いていると、

日本のひなびた温泉街とは、
少し違う。

どちらかといえば、

軽井沢のような、
“避暑地”の空気を感じる。

街の中心には、

Dreifaltigkeitssäule.

17世紀末、
ペストの終息を記念して建てられた
三位一体記念柱。

その周りには、

カフェや劇場が並び、
穏やかな時間が流れている。

そして、

広大なクアパーク。

Kurpark Baden

噴水。
緑。
木陰。
ベンチ。

何をするでもなく、
思い思いに時間を過ごす。

温泉に入ることだけが、
療養じゃない。

歩く。
休む。
自然に触れる。

何もしない。

この“余白”まで含めて、
温泉保養都市なんだと思う。

そして、

この街で夏を過ごした、
ひとりの音楽家がいる。

Ludwig van Beethoven

療養のため、たびたびバーデンを訪れたベートーヴェン。

温泉で身体を整え、
静かな環境の中で創作を続けた。

そして、
この街で過ごした時期に書き進められていたのが、

交響曲第9番、その第4楽章、
「歓喜の歌」。

日本では、
年末になると世界中のどこよりも耳にする、あの“第9”。

名曲は、
劇場だけで生まれるわけじゃない。

森がある。
静けさがある。
余白がある。

身体を整え、
心を整え、
また、創造へ戻っていく。

“歓喜”は、
才能だけでは生まれないのかもしれない。

豊かな感情があり、
それを生み出す時間がある。
そして、回復する時間がある。

そう考えると、
休むことは、創造を止めることじゃない。
むしろ、
次の何かを生み出すための大切な時間なのだと思う。

夏のBadenで、「歓喜の歌」を聴く。

200年前、ベートーヴェンも歩いた、
この空気の中で。

Baden bei Wien.

回復する時間も名曲の一部になる。

#世界の文化 #ヨーロッパ旅 #オーストリア #バーデン #ベートーヴェン

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