ブダペスト、
もうひとつの温泉へ。
ルカーチ温泉
Lukács Gyógyfürdő
ここも、
派手さはない。
でも、
少し過ごせば分かる。
ここは、
地元の人たちの日常に
深く根付いた温泉だ。
湯から上がり、
木々に囲まれた庭へ。
日溜まりの中、
ベンチに座る。
横になる。
微睡む。
誰も、
急いでいない。
入浴を終えたのに、
帰ろうともしない。
湯上がりの余韻を、
いつまでも、
楽しんでいる。
この土地の温泉の歴史は古い。
中世には、
修道院によって
療養に利用され、
オスマン帝国の時代にも、
この地の温泉は
使われ続けてきた。
そして今も、
療養やリハビリを目的に、
人々がここを訪れる。
何百年という時間を経ても、
温泉が人を癒やすという
本質は変わらない。
温泉に入る。
飲泉で、
身体の内側も潤す。
庭へ出て、休む。
そして、
また湯へ戻る。
ここでは、
温泉に入っている時間と、
温泉から出ている時間の
境目が曖昧になる。
庭で過ごす時間まで、
温泉の一部なんだ。
豪華さじゃない。
新しさでもない。
日常の中にある、
ただ、
心地いい時間。
それを求めて、
今日も人が集まってくる。
木々の下で、
湯上がりに微睡む人たち。
きっと、
こういう光景こそが、
ブダペストが“温泉の都”である理由なんだと思う。
Budapest.
何もしない時間まで、
温泉になる。
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