最後に残ったのは、人の温かさ。<イタリア・ヴェネツィア>/Venezia

ヴェネツィア、最後の夜。

最後まで、どっぷり、
ヴェネツィア料理で。

6342 Alla Corte Ristorante.

路地を歩いた先にある、
小さなリストランテ。

ヴェネツィア料理の王道。

イカ墨パスタ。

少し前、
アドリア海の反対側、
ドゥブロヴニクでもイカ墨パスタを食べた。

同じアドリア海。
同じイカ墨。

さて、どう違うんだろう。

そんなことを考えながら、ひと口。

そして、
店のオリジナルワインをひと口。

美味しい。

もう、比較すること自体、
どうでもよくなった。

同じ海でも、
街が違えば、料理も違う。

ワインも違う。

その土地で、
その土地のものを美味しく食べる。

それでいい。

店内には、

生演奏。

ヴェネツィア最後の夜に、

これ以上ない時間が
流れていく。

そして、食事を終えるころ。

「リモンチェッロ、どう?」

来たな。

単価を上げる作戦だな笑
まあいい。
飲もうと思ってたし、ちょうだい。

出てきたのは、キンキンに冷えた、
自家製リモンチェッロ。

これが、めちゃくちゃ美味しい。

あまりにも、美味しそうに飲んでいたからか。
チェックをお願いすると、

もう一杯、

今度は違うグラスで出てきた。
頼んでないけど。

まあ、いい。
美味しいし笑

さて、
2杯でいくら積んできたかな。
伝票を見る。

……、ない。

サービスだった。
やるなあ。

Grazie.

ヴェネツィアは、
東西交易で栄えた海洋共和国。

世界中から、
人が来た。
食材が来た。
文化が来た。

そして、人を迎え入れてきた。

そんな歴史は、料理だけじゃなく、
人のもてなしにも、
どこか静かに残っているのかもしれない。

美味しい料理は、記憶に残る。

美しい街も、もちろん残る。

でも、
旅が終わったあとまで、意外と長く残るのは、

こういう、人の温かさだったりする。

Venezia.

最後の夜。
最後の一杯まで、いい街だった。

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