ヴェネツィア第1章『終わりの始まり』<イタリア・ヴェネツィア>/Venezia

ヴェネツィアは、
静かに沈んでいる。

高潮、海面上昇、
そして地盤沈下。

この街は今、世界中から

「消えてしまう街」

として語られている。

ニュースで見るたびに、

“いつか沈む街”

そんな印象を持っていた。

でも、

そこには、
観光地ではなく今も人が暮らす日常が
当たり前のようにある。

市場があり、
学校があり、
洗濯物が揺れ、
船が郵便を運び、
漁仕事が終わってワイン片手に路地裏に消える。

水とともに生きる暮らしは、

何百年も前から変わらず続いているんです。

だからこそ、

この街が沈むという現実は、
一つの都市が失われるという話ではなくて、
ここに積み重ねられてきた、

暮らしや文化、知恵、時間、

それらを失うという壮大な損失に繋がるのです。

これって、

ヴェネツィアだけの話ではない。

海面上昇は、
世界中の沿岸都市が向き合う課題であり、
遠い未来の出来事でもない。

もう始まっている現実です。

ふと、一つの問いが頭に浮かぶ。

「どうしたら、この街は残るのだろう。」

その答えは、
ヴェネツィアに、そしてヨーロッパを歩いてきた中に
見つけました。

つづく

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