コロッセオが「象徴」だとすれば、
フォロ・ロマーノは「起源」だ。
フォロ・ロマーノ。
かつて古代ローマの中心だった場所。
政治、宗教、商業。
都市としてのあらゆる機能が、この一帯に集約されていた。
今は静かな遺跡として広がっているが、
ここには確かに、人々の営みの中心が存在していた。
石柱の残骸、崩れた神殿、途切れた道。
一つひとつは断片でしかないのに、
全体を見渡すと、都市の構造が浮かび上がってくる。
人が集まり、議論し、祈り、取引をする。
そのすべてが、この場所で日常として繰り返されていた。
つまりここは、
「都市とは何か」を形にした場所でもある。
歩いていると、不思議な感覚になる。
過去を見ているのではなく、
いま自分がその中に入り込んでいるような感覚。
時間が層のように重なり、
その上を静かに歩いている。
フォロ・ロマーノは、完成された景色ではない。
むしろ未完成だからこそ、想像が広がる。
ローマという都市の原点。
そして、人が集まって生きるということの原点。
Foro Romano。
すべての始まりが、いまもそこに残っている。
